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マイナス思考のコントロール

おはようございます。まだまだ残暑が厳しいですが、ようやく暑さは峠を越えたように思います。皆さんは、夏バテなどなく順調に夏を過ごされたでしょうか?

こころの病気は時間がかかり治りにくい場合があります。診察の時に患者さんから「私の病気は治るですか?」という質問をいただくことがあります。確かにこころの病気は治るのに時間がかかることがあります。こころの病気は、その人の性格や家庭環境、これまでの人生の生き方の影響に加え、職場や学校などの社会的ストレスが複雑に絡みあって発症するためです。「このようにしたらすぐにこころの病気が治る」などという人がいたらその根拠について尋ねてみると良いでしょう。

長いこと病気をしていると苦痛は大きいです。まず病気をされている患者さんが大きな苦痛を持ちます。仕事ができない、学校に行けない、家事や育児ができなくなったなどの日常生活の苦労が大きくなります。また、患者さんのご家族もこれまでと違う患者さんの姿に戸惑い、どのように対応して良いか分からなくなることがあります。ですから、少しでも早くこころ病気が治ることが切望されます。こころの病気はその成り立ち自体が複雑なため治療に時間がかかりやすいところがありますが、こころの病気を少しでも早く治すためにはどうしたら良いのでしょうか?

こころの病気の時に現れる症状にも病気を治りにくくする要素があります。その一つに「マイナス思考」というものがあります。「何ごとも悪い方向に考えてしまう」のがマイナス思考です。家族の言葉も、友人の言葉も悪いようにしか取らない。物事は良い面も悪い面もあるのですが、悪いところばかり目につく。これがマイナス思考です。うつ病ではこのマイナス思考が現われるのが特徴的ですが、うつ病だけでなく、他のこころの病気でもマイナス思考は現れます。マイナス思考があると、「病気は一生治らない。」「一生薬を飲まなければならない。」などと考えるようになり、本来良くなるはずの症状でも「良くなるはずはない」などと根拠なく思い込んでしまいます。これは一種の自己暗示に近い状態です。このような自己暗示にかかるとこころの病気は治りにくくなります。またマイナス思考があると自己卑下という現象が起きます。自分の欠点ばかり見つめ、「自分はどうしようもない人間」「自分の程不幸な人間はいない。」などと自分を必要以上に卑下してしまうのです。自己卑下は、自分いじめです。自分をいじめていると益々うつが深まり希望が持てなくなります。自分の人生に希望が持てないとうつが益々深まります。うつ状態→自己卑下→うつが悪化する、いわゆる悪循環が始まってしまいます。

心の病気を治すためには、このようなマイナス思考に適切に対処することが大切です。そのためにはまず自分の病気に対して正しい理解を持ちましょう。病気に対して正しい理解をすると根拠なく「病気は良くならない」などと思い込むことが少なくなります。最近ではネットから情報を得る患者さんが多くなりましたが、ネットからの情報は有益なものもあればそうでないものもあります。情報ソースが明らかで、情報発信者が責任を持っている情報、たとえば学会や厚生労働省、病院、製薬会社などのサイトからの情報であれば信頼できます。反対に匿名の情報には注意して下さい。匿名の情報は情報発信者が発信した情報に責任を持ちません。信頼できる情報でもその情報が自分にどう当てはまるのかはわかりにくいことがあります。ですから、あなたのことを良く理解している主治医にその情報がどう当てはまるのか尋ねてみることをお勧めします。また自分をいじめないようにしましょう。自分をいじめないようにするためにはどうしたら良いか主治医に相談し適切なアドバイスを受けましょう。マイナス思考を乗り越えれば、「病気は良くなっていく」という安心感が生まれます。このような安心感あるとうつ症状は軽くなり、マイナス思考も減っていく良循環が生まれます。このような良循環があるとこころの病気は着実に改善していくのです。

今週もまだ残暑が続きそうですが、皆さんお身体を大切にお過ごし下さい。9月はもうそこまで来ています。

院長 高橋 道宏

2015年08月24日