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薬の自己調整について

2019年9月2日 月曜日

こころの病気の方の中には、処方された薬を自分で調節する方がおられます。「最近とても調子が良いので薬を減してみよう」。逆に「良く眠れないので薬を多めに飲んでみよう」などと考え自分で薬を調整するのです。

また、「ネットでこのクスリを飲むと良くないと書いてあったから」と薬を飲むのを止める方もおられます。

このような薬の自己調節の背景として、「自分のこころの状態は自分で判断できる」と考えてしまいやすいことがあげられます。

「自分のことは誰よりも自分が一番良くわかっている」「薬を長い間使っているので、どの薬が効いて、どの薬が効かないか良くわかっている」などと考えるのです。しかし、本当に正しく自己判断できるのでしょうか?

確かにこころの病気と向き合う中で、これまで以上に自分を深く理解できるようになることもあるでしょう。

一方、こころの病気になると自己を客観的に把握することが困難になります。例えばうつになると、マイナス思考により自己に対して否定的になります。また不安になると、いつも自分の病気のことばかり考えて、自己を客観的に判断できなくなります。

また、ネット、クチコミなどは、根拠のない誤った情報も見受けられます。最も参考になるのは、薬の添付文書です。

この内容は、厚生労働省が認可したものですので信頼できます。しかし、安全性を重視するため、例えばある抗うつ薬で副作用が見つかると、他の抗うつ薬で必ずしもその副作用がなくても、そのリスクが自動的に添付文書に記載されます。これをクロスラベリングと言います。

クロスラベリングは安全性の観点からは必要なものですが、その背景を正しく理解しないと、その記載内容に不必要に不安になってしまうことがあります。

自己判断で服薬を中止することで、病気が悪化したり、再発することがあります。また自己判断で薬を処方量よりも多く服用することで、副作用が出たり、薬物依存になることがあります。

自分の思い込みや自己暗示で薬が効いているように感じられたり、病気そのものの症状を副作用と誤解することもあります。薬は自分で調整せず、疑問がある時は主治医に相談するようにしましょう。

院長 高橋道宏

2019年09月02日