不安とのつきあい方

2016年3月28日 月曜日  晴れ  6°C

不安障害になると些細なことが不安の原因になります。自分でもそれが不合理だとわかっています。でもそのことに気持ちがとらわれてしまうのです。いつも気になることに心がとらわれイライラしたり緊張したりしてしまいます。頭で分かっていても、気持ちが勝手に暴走してしまうのです。理性でものを考えることが難しい状態です。

不安は自分が危機にさらされた時の警告信号です。自分自身を守るために役立ちます。不安になるから問題に対し適切に対処し自分の身を守ることができます。その意味で不安は必要なものです。不安は脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部分の働きと関係しています。扁桃体は人間以外の動物でも存在します。動物も不安になり自分の身を守るのです。

しかしながら、過度な不安は過剰な自己防衛の現れです。冷静になった時には、「何でこんなことで不安になったんだろう」と思います。このように不安の多くは実体がなく、「オバケ」のようなものです。本来不安にならなくても良いことに対し不安になってしまう。これが病的な不安です。病的な不安では、日常生活で必要なことを避けるなど逃避的になります。

不安との付き合い方は、不安から逃げず症状をありのまま受け止めることから始まります。不安を持ちつつも不安から逃げず普通に生活するようにするようにしましょう。そのような生活態度を通して不安を乗り越えるようにするのです。そして不安を乗り越える成功体験の繰り返しがメンタルに強い自己を形成していきます。

院長  高橋道宏

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