2017年1月2日 月曜日
新年明けましておめでとうございます。いつもブログを読んで下さりありがとうございます。本年も心の病気で悩む方々に少しでも元気を出していただけるようなブログを目指していきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
うつ病の治療では、病気を克服するためにいくつかの大切なポイントがあります。その中でも、あせる気持ちを乗り越えることが特に大切だと思います。あせる気持ちは、うつ病になられたほとんどの方に見受けられます。うつ病になると、思うように仕事や家事、勉強などができなくなります。うつ病になられた方は元々責任感が強く、早く治っていつも通りに活動し、責任を果たしたいと強く願っています。しかし、うつ病は思ったようなスピードでは良くならず、焦ってしまうのです。
あせる気持ちがあると、とても不安になり、落ち着きがなくなります。気持ちが空回りしてしまいます。何とかしようともがきますが、思ったようなスピードで良くなりません。その結果、ますます気分が落ち込んでしまうのです。あせる気持ちは、回復期に体力以上の無理をする結果をもたらします。無理をして体調を崩し、せっかく治ってきた気分が再び落ち込んでしまいます。あせる気持ちは、うつ病の回復を遅らせるだけで、回復を早めることはありません。
ですから、あせる気持ちをどうコントロールするかがうつ病治療の成否を分けると言えます。あせる気持ちをコントロールするためにはどうしたら良いのでしょうか?まず、うつ病は必ず良くなる病気だということを知っていただくことです。病気が良くならないと思い込んでしまう方がとても多いのです。これではどうしても焦ってしまいます。また、うつ病の症状がどんな風に治っていくのか?おおよその流れを理解していただくことも役立ちます。
例えば、うつ病では気分などの心の症状は比較的早く良くなりますが、だるさ、疲れやすさなど身体の症状は治るのにある程度時間がかかります。このことを理解すれば、心の症状と比べて身体の症状が治るのに時間がかかっても、あせることがなくなります。うつ病は決して治らない不治の病気ではありません。病気の治り方の基本的な流れを理解し、うつ病は必ず治ると確信し、安心しと希望を持って治療を続けましょう。
院長 高橋道宏