2016年2月20日 月曜日
突然息が荒くなり、胸がドキドキする。ひどく汗をかき、手足がしびれる。不安になり、恐怖のあまり死にそうに苦しい。このような症状が繰り返されるのがパニック障害です。特に電車の中など閉鎖空間で起きやすく、パニック発作が起きた場所に行くのが不安になり、その場所を避けるようになります。何回か発作を経験すると、「また発作が起きるのではないか?」と前もっていつも心配するようになります。
パニック障害では、不安、恐怖などの精神症状に加え、過呼吸、動悸、発汗、手足のしびれといった身体症状がみられます。症状は突然発作的に起こります。身体症状はとてもつらく、死にそうな気がするため、救急車で病院を緊急受診することも少なくありません。しかし検査上全く異常が見つからず、症状が顕著な割に異常が見つからないことで、かえって家族や友人など周囲の理解が得にくい辛さがあります。
パニック障害の治療では、まず第一に発作を予防することが大切です。一度発作が起きると、「また発作が起きるのではないか?」と不安になってしまうからです。発作の予防にはSSRIと呼ばれるお薬を使います。SSRIはうつ病の治療にも使われますが、脳内のセロトニン神経系を活性化することで発作を予防します。また、抗不安薬は発作が起きてしまった場合に即効性があり、頓服として役立ちます。
パニック障害の治療には薬の役割が大きいですが、不安になるからといって過剰に薬を飲み過ぎないようにしましょう。薬は飲めば飲むほど効くわけではありません。どの薬でもある量を超えると薬の効果は頭打ちになり、副作用が起こりやすくなります。服薬は主治医の処方通りにしましょう。パニック発作で死ぬことは絶対にありません。現実離れした不安に振り回されず、安心して生活していきましょう。