気分や体調悪化との付き合い方

2017年5月22日 月曜日

心の病気の治療中に、良くなっていても、気分や体調が一時的に悪くなることがあります。やっと良くなり苦しみから解放されたと思っていたら、また悪くなっているので大ショックです。「長い間治療しているのに病気がちっとも良くなっていない。」「かえって悪くなっている。」「本当に病気は治るのか?」などと疑心暗鬼になってしまいます。

もし心の病気が良くなり始めたら二度と悪くなることがなく、一直線に良くなるなら、とても分かりやすいです。しかし、心の病気が一直線に良くなることはほとんどありません。良くなったり、悪くなったりしながら、少しづつ良くなっていくのです。うつ病の回復期に良くなったり悪くなったりしながら少しづつ良くなることは、温度差の大きい日々を意味する「三寒四温」と呼ばれています。(詳しくは院長ブログ2016年3月14日を参照)

ですから、症状が良くなったり悪くなるのは想定内のことです。一番良くないのは、「病気が悪くなった。」「治らない。」と誤解し悲観的になることです。悲観的になり、希望がなくなると、治るはずの病気も治らなくなっていきます。良くなったり悪くなったりして、少しづつ良くなる心の病気の治り方の特徴を良く理解し、治療について明るい見通しを持つことが大切です。

心の病気の治療中には、気分や体調の波はあって当たり前です。一時的に気分や体調が悪化しても、慌てず主治医に相談しましょう。ほとんどの症状の変化は軽度で、自然変動と言える程度のものです。もし症状の自然変動の範囲内であれば、これまで通りの治療を続けることで改善していきます。症状の変動に一喜一憂せず、病気は必ず治ると信じて治療を続けましょう。

院長 高橋道宏

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