うつ病回復期の過ごし方

2017年6月5日 月曜日

うつ病は、国際的な診断基準によると、うつ病エピソードと呼ばれています。エピソードとは一時的に病気になっているという意味です。一時的な病気であるということは、原則として回復する病気であるということです。ところが、憂うつな気分がなくなったからといって、それだけですぐに復職、復学など社会復帰ができるわけではありません。

うつ病の回復期には、憂うつな気分はなくなりますが、体力はまだ日常生活を送るには不十分です。身体がだるく、とても疲れやすいのです。そんなに動いているわけではないのに、すぐに疲れてしまいます。ここで無理をすると、しばらく動けず寝込んでしまいます。寝込んでいるうちに、良くなっていたはずの気分がまた落ち込んでいきます。

うつ病の回復期には無理をしてはいけません。体力以上に動いてはいけないのです。自分の体力の限界を超えないように、少しづつ動きましょう。体力以上に動くと、耐久力がつかないばかりか、かえって体調が悪化し、再び気分が憂うつになってしまいます。社会復帰のためには、少しづつ動くことが大切ですが、体力の限界を超えないよう工夫しながら動きましょう。

うつ病の回復期には、疲れやすさは想像以上です。ですから、気分の落ち込みがなくなったからと言って、すぐに多くの予定を入れないようにしましょう。人ゴミは避け、どうしても人ゴミに行かなければならない時は、あまり長時間にならないように工夫しましょう。試行錯誤の中で自分の体力の限界を理解し、体力に応じた動きをすることで更なる回復につながります。

院長 高橋道宏

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