2017年7月10日 月曜日
心の病気になると、物事を悪い方にばかり考えてしまう、いわゆるマイナス思考が目立つことがあります。特にうつ病では、マイナス思考が必ずと言って良い程みられます。マイナス思考で物事を必要以上に悪い方に考えると、不安になり、悲観的にもなります。朝から晩までマイナスのことばかり考え、自分で気づかぬうちに、思考がどんどんマイナスの方向に進んでいきます。
マイナス思考になると、特に自分自身についてマイナスに考えるようになります。本当は長所がたくさんあるのに、マイナス思考になると、自分の悪いところばかりが目につきます。自己卑下に陥ります。自分の過去の行動でうまくいかなかったことばかり思い出し、過去を悔やみ、悩み、苦しみます。マイナス思考の最もマイナスなところは、もう心の病気は治らないと思い込んでしまうことです。
マイナス思考から脱却するためには、心の病気の治療をしっかりと受けることです。治療が進んでいくと、だんだんマイナス思考は薄れていきます。主治医の診察を受ける中で、物事を一つの方向からみるのではなく、いろいろな方向からみることを学んでいきましょう。多角的に物事をみると、マイナスばかりに思えることでも、プラスの面が多くあることに気がつくようになります。
自分自身を多角的にみて、長所も短所もありのままに受けいれましょう。どんなに優れた偉人でも、皆長所、短所があります。ただ彼らが自分の実力を120%発揮することができたのは、長所も短所もありのまま受け入れ、マイナス思考がとても少ないからだと思います。ですから、マイナス思考を乗り越えることは、治療成功の鍵であると同時に、人生成功の鍵であるとも言えるのです。
院長 高橋道宏