ADHDのお子さんに対する保護者の役割

2017年8月14日 月曜日

注意欠如多動性障害(ADHD)は一般に広く知られるようになり、お薬による治療を希望して受診する方が大変多くなりました。ADHDのお薬は脳の中にあるドパミン、ノルアドレナリンなどの神経の情報を伝える物質を増やすことで治療効果が現れます。お薬による治療は、多くの方に満足のいくものとなっています。ADHDはお薬による治療が非常に有効な病気なのです。

お薬による治療がとても効果的であるのなら、ADHDの治療はお薬だけ飲んでいれば大丈夫なのでしょうか?お薬を飲んでいれば症状は自動的に良くなるのでしょうか?お薬による治療は有効ですが、お薬で治療を受けても症状がまだいくらか残ることがあります。このような場合、お薬による治療に加えて、注意力、集中力を高めるトレーニングが有効です。

ADHDの症状は成長と共に徐々に軽くなっていきます。3分の1程度の方は成人になるまでに治療が不要になると言われています。ですから、集中力や注意力は、成長と共に他のお子さんに追いついていく可能性があるのです。ADHDのお子さんを集中力や注意力を高めるようトレーニングすることで、このキャッチアップを後押しすることができます。

ADHDのお子さんには、保護者の接し方が大きな意味を持ちます。集中力、注意力を高めるために、日常生活は規則正しく、十分な睡眠が取れるようにしなければなりません。また、年齢に応じた生活の目標を立て、治療へのモチベーションを高めるよう保護者がサポートすることも大切です。お薬と適切な両親のサポートで治療結果を納得いくものにしていきしましょう。

院長 高橋道宏

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