2017年11月20日 月曜日
うつ病の治療中には、症状が良くなったり悪くなったりします。症状が良くなり始めたら一気に良くなり、二度と悪くなることがなければ大変分かりやすいのですが、実際には症状は良くなったり悪くなったりです。波がありますから当惑してしまいます。このような症状の変動を繰り返していると、自分の病気は本当に良くなるのか?疑問に思えてきます。
症状が良くなった時は、とてもうれしく、活動的になります。やっと病気が治り始めたという安堵感と、病気のために出来なかったことを一気に片付けてしまいたい衝動が生まれてきます。しかし、良くなったからといって急に活動を始め調子を崩し、がっかりする方も多くおられます。この時期はまだ体力不十分で、意外と疲れやすいのです。
これとは逆に、症状が悪化した時は非常に落胆します。せっかく良くなっていたのに、なぜ悪くなるんだろう?やっぱり病気は治らないんじやないのか?などと絶望し、マイナス思考が回り始めます。すると、またうつ状態に逆戻りです。良い時には動き過ぎて調子を崩し、悪くなると落胆する。このような繰り返しでは、病気はなかなか良くなりません。
症状に一喜一憂するのはやめましょう。一喜一憂には大きなエネルギーが必要です。そのエネルギーをむしろ回復へ役立てましょう。うつ病の治療中に症状が良くなったり、悪くなったりし始めたら、それは回復のサインです。症状は変動しながら、だんだん良い日が多くなっていきます。症状が安定する頃には良い日ばかりになり、波がなくなるのです。
院長 高橋道宏