2017年11月27日 月曜日
気分が落ち込むと、物事を悲観的に考えるようになります。自分にとって良いことと悪いことの区別がなくなり、すべてが悪いことに思えてきます。これはマイナス思考です。うつ病は休養と服薬により良くなっていきますが、マイナス思考と上手く付き合わないと、回復が遅れてしまいます。マイナス思考との付き合い方がうつ病回復の鍵を握っていると言っても過言ではありません。
マイナス思考ではすべてのことを悪く考えてしまいます。悪く考えると悲観的になり、うつ病が悪化します。良くみられるのは、過去を悔むことです。どんなに上手くいっている人でも、過去には失敗体験があるものです。成功したことがあれば、失敗したこともあるのです。しかし、マイナス思考では、過去には失敗ばかりしていたと考え、過去を必要以上に悔やみます。
気分が落ち込んでいる時、過去を悔やむエネルギーはとても大きなものがあります。過去を悔やむと、過去にとらわれ、繰り返し自分を責めます。繰り返し責めているうちに、そのマイナスのエネルギーはどんどん大きくなっていきます。そのエネルギーはとてつもなく大きくなり、うつ病の回復を阻害します。このようなマイナスのエネルギーと付き合うことが必要なのです。
このマイナスのエネルギーと上手く付き合う方法は、このエネルギーをプラスに変えることです。そのためには、過去を悔むのではなく、過去と向き合い過去から学ぶのです。そして行動を改めるのです。過去から学び、行動を改める中で、マイナスのエネルギーをプラスに変えることができるようになります。プラスに変えることができるようになると、将来に明るい希望が見出せるようになります。
院長 高橋道宏