パニック障害克服の第一歩は?

2017年12月4日  月曜日

パニック障害は、多くの人にとって不安になる必要がない状況で突然不安になり、自分の気持ちをコントロールできなくなる心の病気です。不安に心を奪われると、頭の中は不安でいっぱいになります。不安以外のことは考えられなくなり、不安にとらわれていきます。不安にとらわれると、益々不安になり、悪循環に陥ります。その結果、日常生活に必要な行動が制限されるようになります。

たとえば、不安で電車に乗れなくなる方がいます。特に、新快速、特急などが苦手です。すぐには止まらず、簡単に降りることができないからです。また、不安で高速道路を走る自動車が苦手な方もいます。特にトンネルなど閉鎖空間を移動するのが苦手です。この二つの例に共通しているのは、車内に拘束され、その場から自由に離れられないのではないか?という不安なのです。

パニック障害に特徴的なのは、また不安になるのでは?という予期不安です。突然恐怖に近い不安を一度体験すると、その記憶はなかなか消えません。もう二度と同じ不安を味わいたくない気持ちが強くなり、先回りして過剰に防衛的になるです。予期不安があると、必要以上に不安になりそうな状況を避けるため、誰もがしている当たり前の行動が制限されてしまいます。

パニック障害では、普段不安に感じていることでも、いざ行動してみると不安にならない場合が少なくありません。行動してみた時に、不安は取るに足らないことに初めて気がつきます。ですから、一般に誰もが普通にやっていることは、まず挑戦してみることが大切です。勇気を出して行動することがパニック障害克服の第一歩になるのです。あなたも勇気を出してまず第一歩を踏み出してみませんか?

院長  高橋道宏

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