子どものうつ病?

子どものうつ病

最近当院では子どものうつ病の相談が多くなっています。最近寄せられた質問の中で代表的なものと、その時にお答えした内容についてまとめてみました。

1 子どもはうつ病にかかるのでしょうか?

うつ病には10人から20人に1人はかかります。心の病気の中ではかなり身近なものです。かつては、うつ病は中年に多いなどと言われていましたが、最近では広い年齢層でうつ病がみられます。子どもも例外ではありません。子どもも大人と同じようにうつ病になるのです。特に多いのは中学生以降です。

2 子どものうつ病には特徴があるのでしょうか?

子どもは大人と同じように、自分のつらい状態を言葉でうまく説明できないことがあります。このため、子どものうつ病では身体症状の訴えが多いという特徴があります。例えば頭痛、腹痛、倦怠感、疲れやすさなどです。不眠はほとんどの子どものうつ病で起こります。健康な子どもならいくらでも眠れる年齢です。子どもでは不眠が起こることはまれで、子どもに不眠が起きたらうつ病を疑うべきだと思います。

3 子どものうつ病の治療はどのように行われますか?

うつ病は精神的なエネルギーが不足している状態です。この点では大人と子どもの違いはありません。精神的なエネルギーを回復するために、大人と同様休養、お薬による治療、カウンセリングが行われます。治療の原則は、ストレスから離れること、規則正しい日常生活をおくること、回復の度合いに応じて、少しづつ日常生活を元に戻すことです。子どもは大人より家族の影響を受けやすく、ご家族と連携しながら治療を進めていくことになります。

4 親としてどのように関わったら良いのですか?

子どものうつ病では、保護者の理解が治療の成否を握っていると言っても過言ではありません。もしうつ病のために学校に行けなくなったとしても、子どもはうつ病だから普段通り行動できないのです。怠けているわけではありません。ですから、決して叱ってはいけません。暖かく回復を見守り、規則正しい日常生活と無理のない生活が送れるように配慮してあげて下さい。家庭は最も安らげる癒しの場なのです。

いかがでしたか?子どももうつ病になる時代です。もし心配なことがあれば、早めに受診されることをお勧めします。

院長 高橋道宏

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