メンタルな病気と身体の症状

2017年12月24日

心療内科、精神科などの医療機関に行くと、心の状態についての他に身体についても質問されます。「夜は良く眠れますか?」「食欲はどうですか?」などはほとんど必ずと言って良い程質問されます。また、私のクリニックではほぼ全ての患者さんで血圧も毎回測定しています。どうして身体の症状についてのチェックが必要なのでしょうか?

その理由は多くのメンタルな病気は身体症状を伴うからです。ですからメンタルな病気があるのか?あるいはどの程度進んでいるのか?あるいは、再発しているのか?などの判断材料の一つとして、身体の症状はとても大切な情報なのです。たとえばうつ病はほとんどの場合不眠を伴いますが、良くなるにつれて睡眠が改善していきます。

またうつ病や双極性障害など再発に注意しなければならない病気の場合には、再発の兆候をいち早くつかむために身体の症状は極めて有力な情報です。こうした病気の再発の兆候として、不眠、食欲の異常、めまい、頭痛などの身体の症状か知られています。その中でも特に頻度の高いのが不眠です。眠れなくなってきたら要注意なのです。

身体の症状は心の症状に比べるとはるかに分かりやすく、自分でも気づきやすいものです。メンタルな症状は自分の心を自分で判断するため、自分では分かりにくいことがあるからです。ですからメンタルな症状だけでなく、身体の症状にも十分注意を払い、体調管理に努めましょう。特に毎日のように眠れなくなってきたら、再発の可能性もありますから早めに受診するようにしましょう。

院長 高橋道宏

アーカイブ

PAGE TOP