こころの病気かどうか迷ったら?

2018年1月1日  月曜日

うつ病や適応障害は、精神科の診断学では気分障害に分類されます。人間の気分や感情には多少の波がつきものです。波がなければ無味乾燥で感情と言えませんが、気分障害では、はっきりとした理由がなくても気分や感情の波が頻繁に現れます。しかもその波の程度がとても大きく、次第に気分や感情の波に行動が振り回されるようになります。

例えば、前日までは仕事や学校に行くつもりでいても、当日の朝になるとなぜか気分が乗らず仕事や学校を休んでしまいます。休んで自宅にいると酷く気分が落ち込むこともなく、周りの人から見てまあまあ普通にも見えます。しかし、翌日の朝になると、また身体が動かなくなってしまいます。朝になると周期的に落ち込む気分の波が原因なのです。

このようなことが続くと、理解を示してきた家族もその行動を理解できなくなり、段々厳しい視線を向けるようになります。「やる気がない」「怠け者だ」と責められることもあります。いくら責められても身体は動かず、深く悩みます。家族関係が悪くなります。家族関係が悪くなると、それが新たなストレスになり、ますます身体が動かなくなります。

このような問題は性格のためだと言われることがありますが、もし性格の問題なら、問題は子供の頃からあったはずです。しかし、ほとんどの場合、ある時点から問題が起きています。ですから、性格の問題ではなくこころの病気として対応すべき問題なのです。このような問題は早めにこころの医療の専門家に相談し、適切に対処することをお勧めします。

院長  高橋道宏

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