うつ病と過眠

2018年1月29日 月曜日

うつ病では、およそ9割以上の患者さんで不眠がみられます。また、逆に過眠になることがあります。過眠とは、文字通り眠り過ぎの状態です。

昼も夜もよく眠れるのです。一般的には、日中寝てしまうと夜は眠れなくなり、昼夜逆転の生活になりますが、過眠の場合はどれだけ寝ても睡眠が足りないと感じます。

過眠になると、薬の副作用ではないかと心配する方が多くおられます。しかし、うつ病の治療で使われる抗うつ薬による眠気は、一般的に使用される量の範囲内では、あまり多くありません。

たとえ眠気があったとしても、抗うつ薬を飲み始めたばかり頃が多く、1-2週間もすると眠気はなくなっていきます。

むしろ、うつ病の治療中に日中からひどく眠くなるのは、うつ病の症状によるものが多いと考えられます。

うつ病では、「憂うつになる」「意欲がなくなる」などの症状の他に、「身体がだるい」「とても疲れやすい」などの症状がみられます。身体がだるく疲れやすいと休みたくなり、休みたくなると眠くなるのです。

うつ病の治療中に日中ひどく眠くなるのは、薬の副作用というより、まだ休養が必要であることを示しています。日中眠ってしまっても、夜また良く眠れます。

昼も夜も底なし沼のように眠くなる位、身体が疲れているのです。このような時は、まだ無理をせず、出来るだけ休養をとるように心がけましょう。

院長  高橋道宏

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