うつ病回復期にみられる気分の波

2018年12月31日 月曜日

うつ病の回復期には気分の波がみられます。調子が良くなってからも、時々気分の波が現れ、気分が落ち込みます。気分の落ち込みに伴い、体調も悪くなります。

このような気分の波の特徴は、気分の落ち込みの原因となるストレスや環境の変化が特に見当たらないことです。自分自身どうして調子が悪くなったのか理解できません。このような気分の波は、うつ病にみられる気分の自然変動と考えられます。

うつ病が回復してきた時に気分や体調が悪くなると、せっかく良くなったのに、またうつ病が悪くなってきたのではないか?と不安になります。

しかし、このような気分の落ち込みは、うつ病回復期にはよくあることなのです。うつ病が良くなったり悪くなったりしながら少しづつ回復していくことは、温度差の大きい日々を意味する「三寒四温」に例えられています。

このような気分の自然変動の特徴は気分の波があまり大きくないということです。うつ病になった当初の頃のように、気分がひどく落ち込むことはありません。

もう一つの特徴は、しばらくすると気分の波は去り、また元通りの状態に速やかに戻ることです。ですから、過度に不安にならず落ち着いて日々を過ごしましょう。このような自分の自然変動は、心配する必要がありません。

対処法として大切なのは、このような気分の自然変動に対して不安にならないことです。不安になると、うつ病がどんどん悪くなっていくのではないか?と考えてしまいます。これは不安による負の自己暗示です。

不安による負の自己暗示が起きると、症状は悪化していきます。このような自己暗示により症状が悪化する程、うつ病にかかった方の気持ちはデリケートなのです。回復のためには、これは症状の自然な変動だと理解し、不安にならず落ち着いて生活することが大切です。

院長 高橋道宏

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