双極性障害の治療について

2019年6月23日 月曜日

双極性障害は、うつ病でみられるうつ状態と、それとは正反対のエネルギッシュなそう状態がみられるこころの病気です。

うつ状態はうつ病でみられるうつ状態と全く同じであるため、うつ状態だけをみているとうつ病しか見えず、そう状態になって初めて双極性障害であったと気がつきます。反対に、そう状態だけでうつ状態が全くないという方はあまり多くありません。

そう状態では、うつ状態とは正反対に、とてもエネルギッシュになります。夜は寝なくても良い位に元気になり、疲れを感じません。多弁になり、休む間もなくしゃべり続け、声が枯れてしまうこともあります。

自信家になり、家族や周りの人と口論になったり、普段ではとでも考えられないような高額な買い物をしてしまいます。そう状態の時は患者さんご自身にとっては、むしろ気分が良く、自ら治療を求めることはほとんどありません。

双極性障害は、このようにうつ状態とそう状態の両極端の症状が現れますから、うつ状態もそう状態も予防することができる気分安定薬と言われるお薬が必要です。

治療せず放置していると、何度も躁状態とうつ状態を繰り返し、次第にそう状態とうつ状態の時間的間隔が短くなり、重症化していくことが知られています。気分安定薬は複数の種類がありますので、その方に合ったお薬を使うことで、このような重症化を防ぐことが可能です。

お薬による治療に加え、うつ状態の時は無理をせず、躁状態の時は気分に任せてやりすぎないようにする行動指針を確立することが必要です。

気分に任せて行動するのではなく、一定のスケジュールで生活することが望ましいと思います。そのためには、規則正しい生活をおくると同時に、家族や周囲の方に助言を求め、自分の行動が気分本位に陥っていないか常に確認していくようにしましょう。

院長 高橋道宏

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