2020年1月5日 月曜日
今日のブログは、不安に打ち勝つ心の持ち方についてです。
不安障害の治療では、お薬による治療と同時に、不安に打ち勝つ心の持ち方について理解を深めることが大切です。
このような心の持ち方について理解を深めることで、不安障害に見られがちな薬への過度な依存を断つことにもつながるのです。
では、不安に打ち勝つ心を持つためにはどのような点に注意して日常生活を送ったら良いのでしょうか?
私達は子どもの頃から、将来の不安を少なくするためには、今のことばかり考えずに、先を見据えた計画性が大切だと教えられてきました。
まさに、備えあれば憂いなしです。
しかし、先のことを考えるとかえってうまくいかない時があります。それは「不安が強い時」です。
不安が強い時は、先々のことを考え過ぎ、思考が空回りしてしまいます。
特徴的なのは、先々のことをマイナスに考えてしまうことです。将来はマイナスのものにしか見えず、マイナスにマイナスを積み上げ、悲観的になり、不安が強くなるばかりです。
将来のことを考えて、今日を建設的に生きることも、気分が落ち着くこともありません。不安障害の時は、このようなことが起こります。
そんな時は、先々のことを考えるのはやめ、今日の事だけを考えていると良いのです。
不安になりにくい人の特徴は、マイナスのことを考え始めたり、マイナス思考のループにはまりそうになった時に、「これ以上考えても仕方がない。」と考え、潔く考えるのをやめる点です。
不安になりにくい人は、思考が空回りしそうになった時、必要以上に深く考えずにマイナス思考のループから逃れていきます。
不安が強い時は、先々のことを考えないようにしましょう。そのためには、今日のことだけを考えるのです。
今日のことだけを考える時は、今日のことを具体的に考えましょう。
「何時に食事をして」「何時に仕事をして」「何時に家に帰り」「何時に寝る」といった具合に、一つ一つ確認していきます。
すると、今日という日はすぐに過ぎ去ってしまうこと、また今この瞬間に何をすべきかが明らかになります。
今すべきことがわかったら、即行動あるのみです。
それ以上のことは考えるのを止めましょう。
明日のことは明日になってから考えましょう。
今日これから残された時間で何をしますか?
今日のことだけを具体的に考える。今すべきことを理解し、行動に移す。
この2つのポイントを押さえるだけで、だんだん不安になりにくくなっていくのです。
院長 高橋道宏