うつ病でみられる焦りへの対処法

2020年4月27日(月)

うつ病の多くの患者さんに焦りがみられます。「うつ病はいつになったら治るのか?」長引く闘病生活に飽き飽きし、このように感じるのです。

しかし、焦ってもうつ病が治るわけではありません。焦りはうつ病の回復を遅らせます。うつ病が良くなるためには時間が必要です。

焦っている時は、うつ病になった自分を受け入れていません。うつ病になったことを引け目に感じ、劣等感に苛まれます。

そのようなネガティブな心のエネルギーは、うつ病を悪化させ、回復を妨げます。

では、どうしたら焦らずに済むのでしょうか?

それは、うつ病を「あるがままに」受け入れることです。

うつ病になりたくてなった人は一人もいません。うつ病になったのは自分のせいではありません。気がついたら病気になっていたのです。

ですから、あせってジタバタするのはやめましよう。うつ病をあるがままに受け入れて、治療を続けて下さい。

また、うつ病の治療は薬だけではなく、日常生活の送り方が大切です。日常生活のポイントは健康的な生活スタイルを維持することです。すなわち「規則正しい生活をする」ことです。

生活リズムを意識しながら日常生活を送るのです。毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝る。同じ時間に食事をとる。同じ時間に体を動かすのです。これは単純で分かりやすいものですが、うつ状態の時はどれも乱れがちになります。

もう一つ大事なポイントは、無理をしないことです。うつ病になると心身ともに弱っていますから、いきなり普通に行動しようとはせず、うつ状態からの回復を待ちながら、少しずつ行動囲を広げていきましょう。

このような点に注意していただくと、うつ病は徐々に治っていきます。また、良くなるにつれ、焦りは少なくなります。

うつ病の治療は決して難しくありません。「うつ病をありのままに受け入れる」「健康的な生活スタイルを回復する」「うつ状態からの回復を待ちながら、少しずつ行動範囲を広げていく」この3つのポイントを意識しながら日常生活を送ってください。

うつ病は必ず良くなると信じて、焦らず日々の療養に専念しましょう。必ず笑顔で過ごせる日がやってきます。

 

院長 高橋道宏

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