2020年9月21日(月)
不安障害には、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、社交不安症などがあります。それぞれ症状の出方は異なるものの、すべての不安障害に共通しているのは「不安へのとらわれ」です。
不安にとらわれると苦痛のあまり不安から逃れようとしますが、不安の呪縛から簡単に逃れることはできません。不安から逃げようとしても、とらわれが強くなるばかりです。
不安は誰にでもありますが、不安障害でみられる不安は、現実離れした過度な不安です。そして、多くの方に先々のことを心配する予期不安がみられます。
予期不安があると、まだ不安になる状況が出現していないのに、また不安になるのではないかと将来を否定的にとらえます。不安が強いため、眠れない、電車に乗ることができない、仕事に集中することができなくてミスが多いなど、今必要な行動に支障をきたします。
不安障害を乗り越えるためには、不安になっても、その気持ちに振り回されないようにしましょう。そのためには、不安から逃げず、不安をありのままに受け入れましょう。
肯定も否定もせず、あるがままに不安を受け入れるのです。そして不安があっても、今目の前にある課題を一つ一つこなしていくのです。
不安を持ちながら一つ一つ目の前の課題をこなしていくと、次第に不安にとらわれなくなっていきます。
不安を持ちながら普通に行動するのは苦痛を伴いますが、不安を持ちながらも一つ一つ行動していく中で、不安へのとらわれから解放され、あなたのメンタルは確実に強くなっていきます。
芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏