2020年9月28日(月)
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)は、長年の間不安障害の治療に使われてきました。
抗不安薬は服薬するとすぐに効果がある反面、効果は数時間位しかないものが多く、効果は限定的です。薬の効果が切れると、また服薬しなければならなくなります。
抗不安薬を何回も使用しているうちに、薬を飲むのが当たり前になり、いつまでも飲み続ける方が多くおられます。
長年服用したからといって健康被害が生じるわけではありませんが、一部の方には依存が生じます。服用しているうちに効果があまり感じられなくなる。その結果薬の量が増えていくのです。これが依存です。
このよう形になるのを避けるために、抗不安薬はどうしても必要な時だけ服用するようにしましょう(頓服)。
常用すると依存するようになりやすいため、不安薬はできるだけ常用しないようにしましょう。
特に2種類以上の抗不安薬を服用している方は、抗不安薬はできるだけ1種類にするようにしましょう。
2種類以上の抗不安薬を服用する方は、薬をやめにくい傾向があるからです。
不安障害の治療では、前回のブログ(不安に打ち勝ちメンタルを強くする)にあるように、不安をありのまま受け止めながら、日常生活のペースを乱さないようにすることが大切です。
その意味でも抗不安薬はあくまで補助的に使われるべきで、根本的な治療ではないのです。
芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏