2021年1月4日(月)
最近では双極性障害と言われることが多くなりましたが、そう状態とうつ状態がみられるそううつ病は自分の感情と行動をコントロールすることが難しい病気です。
そうの時は元気が良く、自信満々で自分の行動を抑えることができません。夜も寝ずに行動してしまう、買い物で浪費してしまうなど、自分の行動を抑えることができません。
一方うつになると何もしたくなくなり、ちょっとしたことでも行動するのがおっくうになります。
このように相反する2つの状態を行ったり来たりしているため、自分の力だけでは感情と行動をコントロールするのが難しいのです。
このため、そううつ病(双極性障害)では気分安定薬と言うお薬の助けを借りることが必要です。気分安定薬は気分の波を減らしてくれます。
一方、お薬を飲むだけでなく、そうの時にはやり過ぎない、うつの時には無理をしないという原則に従って行動することも大切です。
気分の波に打ち勝つためには、特にそうの時をどのように過ごすべきかが鍵だと思います。
そうの時は何でもやりたくなり、何でもできるような万能感を持ちます。
そうの時は自信があり過ぎてどんどん行動してしまいますが、人間の気力と体力には限りがあります。どこかでその気力と体力を使い果たしてしまい、急速にうつに陥っていきます。
そうの時にきちんと対処できれば、体力を使い果たすこともなく、その後やってくるうつを予防することにもつながるのです。
そのためには気分と感情にまかせて自分自身のやりたいことをやるのではなく、自分がやるべきことをするという心の姿勢が大切になります。
気分本位から物事本位の生活に転換を図るのです。そうの時に自重できるようになると、気分の波は少なくなり、そううつの波に打ち勝つことができます。
芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏