2021年1月11日(月)
パニック障害では、不安、緊張など精神症状とともに動悸、息切れなどの身体症状がみられます。
このような身体症状は自律神経症状です。パニック障害でみられる身体症状のほとんどは自律神経の異常によって起こります。
動悸、息切れがあると、心臓や呼吸器の病気ではないかと心配になりますが、内科などで診察を受けると何の異常も見つかりません。
心臓、呼吸器が悪いのではなく、心臓、呼吸器の働きをコントロールする自律神経が調子を悪くしたのです。
パニック障害では、不安、緊張などの精神症状が現れる前に、動悸、息切れなどの身体症状が現れます。動悸、息切れなどの症状がかなりつらいと、心臓、呼吸器の病気ではないかと心配になり、不安、緊張が強くなるのです。
一度この不安を味わうと、また同じような症状が訪れるのではないかと不安になります(予期不安)。パニック障害はこのような経過で発症していきます。
パニック障害はその根底に自律神経の異常があり、パニック障害の治療では自律神経の調子を整えることが大切です。
自律神経を整えるためには、まず睡眠をしっかりとり、健康な生活を送るようにしましょう。
睡眠をしっかりとろうすれば、効率的に仕事を片付け、早く帰宅するようになります。長時間労働によるストレスは少なくなり、家族と過ごす時間が長くなります。このような生活の変化は、自律神経をより整えやすくしてくれます。
パニック発作を克服するためには、薬を飲むだけでなく、毎日健康な生活を送り自律神経を整えていくようにしましょう。
芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏