うつ病のリハビリはどのようなものか?

2021年2月1日(月)

うつ病のリハビリはどのようなものか?

うつ病でみられる抑うつ気分、意欲低下などの精神症状は2ヶ月程度で改善しますが、体のだるさ、疲れやすさ等の身体面の症状はこれよりも遅れて改善します。気持ちの落ち込みがなくなっても、体はだるく、疲れやすいのです。急性期を過ぎたうつ病では、持続力の強化、生活リズムの改善などを目的としたリハビリが必要です。

うつ病のリハビリを行うことができるのはどのような状態になってからか?

うつ病のリハビリを行う前提として、症状が軽度になっている必要があります。軽度とは、症状は多少あるものの苦痛はあまり強くない、日常生活はほぼ普通に送ることができる状態です。苦痛が強く、生活への支障が大きい中等度以上のうつ病では、まだリハビリは勧められません。

うつ病のリハビリはどのようにして行うべきか?

うつ病では、気分の落ち込みは治っても、起床困難、午前中の調子が出ないなどの症状のために、病前の生活に戻ることができない方が多くおられます。症状が軽度になったら、いつまでも身体の調子に振り回されるのではなく、できるだけ規則正しい生活を送るようにしましょう。まだ仕事が無理でも、午前中から読書など何らかの活動を開始するようにするようにしましょう。無理のない範囲で、適度に負荷をかけていくのです。

重症度に応じたリハビリで病前の生活を取り戻すことができる

このように重症度に応じたリハビリを行うことで、うつ病は更なる改善に向かいます。抑うつ気分、意欲低下などの症状はお薬で良くなりますが、体のだるさ、疲れやすさなどの症状はお薬を飲むだけでは改善しません。病前の生活を取り戻すためには、服薬を継続しながら、症状に応じたリハビリをすることが求められます。

うつ病では安静が強調されますが、これは中等度以上うつ病の場合に当てはまります。症状が軽度になったら、安静だけではなく、適度に負荷をかけるリハビリが必要となります。

芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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