うつと不安で異なる行動原則ーその2

2021年8月16日(月)

前回の月曜ブログ(2021年8月7日「うつと不安で異なる行動原則」ーその1)では、うつと不安で行動原則が異なることをお伝えしました。

うつの時は行動しない、不安になったら行動するです。うつと不安が同居する時は、状況に応じてどちらかの治療を優先させます。実際の治療では、この優先度をどのように決めているのでしょうか?

うつ病が中等症以上の時は、うつの治療を優先します。軽症になったら、行動を促し不安の治療を進めていきます。中等症以上のうつ病では行動するだけのエネルギーが乏しいからです。

中等症とは、症状がつらく、日常生活に大きな影響が出ている状態です。軽症は、症状があっても軽く、日常生活はほぼ普通にできる状態です。

うつ病の症状には波があります。軽症になっても、調子の良い時と悪い時があります。調子が悪くなったら、一時的に症状が中等症に近くなります。行動は一休みし、うつが回復するのを待ちます。無理は禁物です。

反対に軽症で調子の良い時は、休んでいるだけではこれ以上良くなりません。不安に負けず、積極的に行動しましょう。

うつ病の方は勤勉で、調子が悪くても無理をしやすい傾向にあります。調子が悪いのに無理をしてはいけません。自己判断に頼らず、主治医のアドバイスを受けながら、その時々にふさわしい行動をとって下さい。

適切に行動することができれば、うつと不安が同居していても決して怖くはありません。症状から解放される日が必らずやってきます。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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