2021年8月23日(月)
うつ病治療の基本は、休養とお薬による治療です。国内外学会の治療ガイドラインでは、このような治療が推奨されています。
この治療原則に則っていれば、ほとんどのケースに対応できます。
この治療原則により、治療がうまく進まないことがあります。それはどのような場合でしょうか?
いつくかのケースがありますが、その一つは生活リズムの乱れです。
うつ病は自律神経が乱れる病気です。放置しておくとどんどん生活リズムが乱れていきます。
ですから、うつ病治療では、乱れていく生活リズムを自分で正していく姿勢が求められます。生活リズムが元に戻らないと調子は良くなりません。
規則正しい生活リズムを保つ事は、うつ病治療の基本中の基本です。規則正しい睡眠、食生活、適度な運動が求められます。
抗うつ薬が2種類以上効かないうつ病を難治性うつ病と定義しますが、この前提はあくまで規則正しい生活をしていることが前提です。
一見難治性うつ病にみえる場合でも、規則正しい生活リズムを保つことで、症状は改善に向かうことが少なくありません。
うつ病治療の基本は、意外とシンプルです。休養とお薬に加え、規則正しい生活を送るという単純なことに、症状改善の秘訣が隠されているのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏