抗うつ薬の長所を引き出すためには?

2021年9月6日(月)

抗うつ薬は長く服用することになるため、服薬を続けるうちに飲み忘れてしまうことがあります。また、長期に服薬を続けることへの心理的抵抗感が原因で薬を少なめに飲もうとする方もおられます。

抗うつ薬を飲み忘れると、すぐに効果が出なくなるのでしょうか?薬を少なめに飲むことは意味のあることなのでしょうか?

抗うつ薬は服用したらすぐに結果が出るわけではありません。今日は日曜日で特に活動するわけではない。薬が効かなくて良いと考え薬を飲まなくても、その日にすぐ効果がなくなるわけではありません。

しかし、服用しないことは今後薬の効きが悪くなることにつながります。また、偶然服薬を忘れた時に症状の悪化がなかったからといって、もう薬がいらなくなったことを意味するわけではありません。

抗うつ薬は継続して服用することで、初めて薬の良さを引き出すことができます。たとえば、処方されたお薬を10%以上飲まなければ、期待される薬の効果は徐々に弱まっていきます。10%以上飲まないとは、1ヶ月で3日以上飲まないことに相当します。

抗うつ薬は依存性がなく、その安全性はこれまでに多くのデータで裏付けられています。わざわざ少ない量を飲むことは、うつの再発予防効果の低下につながります。

抗うつ薬のこのような特徴を理解し、薬の良さを引き出すため、処方通り服薬していただきたいと思います。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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