2022年3月14日(月)
うつ病は徐々に改善していきます。右肩上がりに一直線に回復することはありません。良くなったり悪くなったりしながら少しずつ回復していきます。
ですから少々調子が悪くなったとしても長期的に見て改善方向に向かっていれば、心配することはありません。
うつ病が回復する時に、良くなったり悪くなったりすることは、非常に苦痛です。調子が良くなってきたところから急に悪くなると、その落差が非常に苦痛に感じられるからです。
少しでもこの気分の波を少なくし、順調に改善するためにはどうしたらよいでしょうか?
そのためには規則正しい生活を送ることが最も大切です。規則正しい睡眠、食事、運動です。
この3つのバランスが取れていれば、回復する時の気分の波は比較的少なく順調に改善していきます。
具体的には夜は0時までには寝て、朝は遅くても8時までには起きましょう。規則正しい睡眠はうつ病の回復を早めます。
食事は少量でも1日3食食べるようにしましょう。食事は栄養補給以外にうつ病で調子が悪くなりやすい自律神経を正常化させる働きがあります。特に、朝はできるだけ食事をするようにしましょう。朝食事をすることで、体温、血圧が適切に保たれます。
また、適度な運動も大切です。過度な運動は疲労を蓄積しますが、適度な運動はうつ病を回復させます。
うつ病に対する運動の効果については、海外を含め30以上の論文による報告があります。
このように服薬以外にも日常生活の工夫をすることで、気分の波を少なくし、うつ病の回復を着実に進めることができます。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏