2022年7月11日(月)
不安障害は、その方の神経質性格とも関係しており、長期の治療を要することがあります。
長く治療していると、もう一生治らないのでは?と心配になる方もおられます。
不安障害は一生治らない病気なのでしょうか?
不安障害が治らないのは、不安に対する対処法が身についていないからです。
抗不安薬で不安を減らして一時しのぎをしても、不安への対処法がわからないと、いつまでも薬に頼ることになります。
抗不安薬を服用するだけでは、不安障害を克服することはできません。
不安障害の治療については、次のような考え方が一般的です。
「不安をやり過ごし、通り過ぎるのを待つ」「種々の方法で、不安から注意をそらす(不安への過度の注目を減らす)」
「深呼吸、筋弛緩などのリラクセーション法を修得し応用する」
「常に最悪の事態を予測する破局的
な考え方をやめる」
不安(恐怖)は、避けていてはいつまでたっても克服できないので、症状が軽快したら、敢えて不安場面に入って行って、そこで耐える練習が必要である(曝露療法。逃げずに耐えていると、時間とともに不安は自然に消えていく)(パニック障害の治療ガイドラインより引用。厚生労働省)
不安障害を克服するためには、不安をありのまま受けとめ、いつも通り行動することが大切です。
何かか原因で不安になれば、そのことばかり考えたくなります。不安にとらわれれば、目の前のことがおろそかになります。
しかし、不安なことがあっても、その時々にすべきことをする。いつも通り行動する。このようにしていけば、不安へのとらわれから自然に解放されていきます。
いつも通り行動するためには、不安に流されずに自分を支える力が必要です。この不安に流されず、自分を支える力を強めることができれば、不安障害を克服することができるのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏