2023年1月30日(月)
こころの病気は長期化することが多く、自分の状態が分かりにくくなります。元気だったときの状態はどうだったのか曖昧になります。
いつも具合が悪いとそれが当たり前になり、元気だった時のことが思い出せなくなってしまいます。
このような時、自分の現状がわからず、どのように行動していいのか、将来の見通しも立たず、途方に暮れてしまいます。
こころの病気には、他の身体的な病気と同様に重症度があります。軽症、中等症、重症の3つです。重症度がわかるとそれに見合った行動も見えてきます。
たとえば重症度が中等症から軽症に変化かすれば、改善方向に向かっていることがわかります。
ですから、現状を把握するためには、重症度を理解することがとても大切なのです。
軽症とは多少症状があるものの、日常生活はほぼ普通にできます。
中等症とは、日常生活の中でつらさを強く感じるようになった状態です。仕事、家事、勉強などが停滞するようになります。仕事を休んで休職する方は、このような状態の方がほとんどです。
重症とは、1人で生活することが困難で、家族等が常に見守る必要がある方です。食事摂取、入浴なども困難となり、入院が必要となることもあります。
症状が中等症以上になったら無理に活動せず、休養して心身の充電をはかるようにしましょう。
このような生活を続けていれば、症状は軽症に向かいます。
軽症になったら、方針転換です。多少無理をしても動くようにし、回復を早めましょう。リハビリ期なのです。
このように症状の重症度が理解できると、それに応じた行動が可能となり、安心して治療を進めることができます。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏