こころの病気を早期に回復に向かわせるためには?

2023年4月24日(月)

こころの病気を早期に回復させるためには?

こころの病気は長い治療期間を要し、なかなか回復しないというイメージがあります。

治療にある程度の時間を要することは事実ですが、回復するのは本当に難しいのでしょうか?

多くのこころの病気は回復可能です。回復が困難とされるものもありますが、全体の中での割合は決して高くありません。

特に現代病であるうつ病、適応障害などは完全に回復することが可能です。そのためには大切なポイントがあります。

こころの病気には治る時期があるということです。それまでは治療を続けていても、症状はあまり変化しません。来る日も来る日もつらい毎日です。

ところが、一定の時間が経ち回復期に入ると、不思議と病気は回復し始めます。それまでとは異なり、治療の流れが変わり始めます。まさにターニングポイントです。

初発のうつ病であれば、治療開始後4-6週を経過した頃がこの時期にあたります。

病気が回復し始めると、自分でもある程度変化がわかります。

病気が良くなり始めると、これまで我慢していた反動で急に活動量を増やしたくなりますが、この時期は慎重に過ごしましょう。

この時期を最大限に利用して、病気を回復させるのです。

逆にこの時期を逃すと、しばらくの間、回復は難しくなります。

規則正しい生活を続け、絶対無理をしないようにしましょう。

たとえば友人と会うと、ひどく疲れてしまうことがあります。1-2時間話をし楽しく過ごすのですが、自宅に帰ると寝込んでしまいます。

無意識に友人のペースに合わせようとして、自分のペースで行動できないことが原因です。

このような場合、自分のペースを守るために、人と会うときには時間を短めにすると良いでしょう。

回復期になるまでは焦らず、回復期になったら、その利点を最大限に生かしましょう。

回復期には、病気は必ず治ると言っていた主治医の言葉が腑に落ちるようになります。よりポジティブな気持ちで治療すれば、回復は早くなります。

このようなマインドセットの変化は回復期の最大の利点です。この利点を生かし、病気をよりすみやかな回復に向かわせるましょう。

このような方法で、こころの病気は早期に回復に向かうのです。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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