2023年9月25日(月)
うつ病や不安障害に悩む方々は、些細なことが頭から離れず、不安にとらわれることがあります。また、自己評価が低く、ネガティブな思考にとらわれることも少なくありません。
こうした状態が持続すると、本来の性格によるものか、病気の影響かを区別することが難しくなります。
自分も周囲の人々も、このような感情や思考が本来の性格に由来するものなのか、それとも病気の症状なのかを見極めるのが難しくなります。
もし幼少期からこのような感情や思考が存在していた場合、それは性格に関連している可能性が高いです。しかし、それがつい最近2-3ヶ月になり初めて出現した場合は、病気による症状の可能性が高いです。
病気による場合、適切な治療を受けることで、本来の自分を取り戻すことができます。その一方、神経質性格の方は、うつ病や不安障害にかかりやすい傾向があります。神経質性格がうつ病、不安障害などのこころの病気を引きつけてしまうのです。
ですから、神経質性格は病気を引きつけないように変化させていく必要があります。性格を一変させるのは難しいですが、全く変化しないというわけではありません。治療的アプローチで少しずつ変わっていきます。
性格を完全に変えようと焦るのではなく、日常生活に支障をきたさない範囲で、少しずつ変化させていくのです。自分の性格を否定するのではなく、その性格を活かし、健康的に向上させることを考えましょう。
もう長い間、その症状とつき合っていて、性格だから仕方ない、これは自分の性格なんだと、諦めていませんか?しかし、治療的に取り組めば、性格は前向きに変わります。
たとえば自己評価が低いと神経質になりやすいですが、自己評価が高まると細かいことは気にならなくなります。すると、些細なこと、不安にとらわれることがなくなっていきます。
しかし、元々注意深い性格特徴はそのまま残り、間違いの許されない場面、細部にこだわる必要がある仕事では非常に役立ちます。
性格だからと諦めず、前向きに取り組むことであなたの神経質性格は、悩みの対象ではなく、あなたの強みへと変わっていくのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏