うつ病と免疫力の関係:心と身体の密接なつながり

2024年5月6日(月)

うつ病は、心だけでなく、身体の健康にも深い影響を与えることが知られています。身体への影響として、免疫力との関係が注目されています。実際、うつ病になると免疫力が低下する可能性があります。

免疫力とは、体が病気や感染症に対抗する能力のことです。免疫システムは、外部からの侵入を防ぎ、体を健康に保つ重要な役割を果たしています。

しかし、うつ病になるとこの免疫力が低下してしまいます。その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。また、病気やケガが治りにくくなったり、疲れやすくなったり、肌が荒れたりすることがあります。

うつ病の方は、慢性的なストレスや不安にさらされています。このようなストレスの状態は、免疫システムに直接影響を与えます。

ストレスが増すと、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加し、免疫システムが抑制されます。その結果、免疫力が低下します。

また、うつ病では、自律神経の働きやホルモンのバランスにも変調が起こっています。

免疫システムは自律神経によって制御されています。自律神経の乱れは免疫システムの機能不全につながり、免疫力低下を引き起こします。

うつ病になると、生活リズムが乱れ、健康な生活習慣を維持することが難しくなります。睡眠の質が低下し、栄養バランスが乱れ、運動不足になることがあります。

睡眠不足は免疫システムを弱め、栄養不足も免疫力低下につながります。

うつ病の免疫機能を改善するためには、まず健康的な生活習慣を取り戻すことが重要です。

うつ病の方は生活リズムが乱れやすいので、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動などが役立ちます。

また、日常生活のリズムを整えることも重要です。自宅療養しているときには、たとえば、朝は8時には起きて、夜は12時までに寝る。食事は3回とる。身体を意識的に動かすことを心がける。飲酒は控えるなど、日常生活のリズムを整えることが大切です。

うつ病と免疫力の関係は、心と身体の密接なつながりを示しています。

うつ病になると免疫力が低下する可能性がありますが、生活習慣の改善と適切な治療を受けることで免疫力を回復することができます。健康な生活をすれば、心も身体も健康になるのです。

うつ病の影響は心理的なものだけにとどまらず、身体と心の両面からの治療が必要です。身体と心の両面からの治療をし、うつ病を乗り越えましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

アーカイブ

PAGE TOP