うつ病のマイナス思考は必ず克服できる

2024年8月5日(月)

うつ病になると、自己否定的な思考が強まり、「自分はダメだ」「何をやっても無駄だ」といった悲観的な考えにとらわれやすくなります。

また、将来に対する希望がなくなり、悲観的に考えることが多くなります。さらに、マイナス思考は性格的なものだから治らないと考えてしまうこともあります。


うつ病でマイナス思考が強まるのは、ストレスにより「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの脳内の化学的不均衡が起こり、その結果物事をより否定的に捉えやすくなるためです。さらに、社会的な関わりが減ることで孤独感が強まり、マイナス思考が増大します。


うつ病のマイナス思考で特徴的なことは、過去のトラウマなど過去の出来事を振り返ることです。過去の嫌な思い出ばかりが蘇り、楽しかった思い出は全く思い出せません。また、将来に対する見通しが立たなくなり、不安が募ります。


治療法としては、ストレスから離れ、休養とセロトニン機能を回復する薬物療法によって心と体の余裕を取り戻すことです。特に、日常生活を規則正しく過ごすことが大切です。不規則な生活はマイナス思考を助長します。

夜不安になることが多いのは、夜になるとセロトニンが睡眠ホルモンのメラトニンに置き換わり減少するからです。夜は早く寝るようにし、日の光を浴びる早朝からの活動しましょう。

このように休養、薬物療法、規則正しい生活を続けることで、ほとんどうつ病は改善に向かい、マイナス思考は徐々に減少していきます。

うつ病でみられるマイナス思考は性格的なものではなく、病気の症状であり、治療によって必ず良くなっていきます。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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