パニック発作はどのような時に起きるか?その対処法

2024年9月30日(月)

パニック発作は、突然強い不安や恐怖感、息苦しさ、心拍数の増加、めまいなどの身体症状を伴います。一度発作を経験すると、その記憶が強く残り、「また起こるのではないか」という不安、いわゆる「予期不安」が生じやすくなります。

では、パニック発作はどのような状況で起きやすいのでしょうか?そして、その対処はどのようにしたら良いのでしょうか?

パニック発作が起きやすい状況

1. ストレスや疲労が溜まった時
仕事や家庭でのストレス、過労、睡眠不足は発作の引き金になります。特に長期的なストレスは、発作のリスクを高めます。

2. 閉鎖的な空間や人混み
電車やエレベーターなど、すぐに外に出られない状況では不安感が高まり、発作を引き起こしやすくなります。

3. 過去に発作を経験した場所や状況
以前に発作を経験した場所や状況に直面すると、その記憶がよみがえり、発作が再発しやすくなります。

4. 身体的な症状を感じた時
胸の痛みや息苦しさなどを感じると、「重大な病気かもしれない」という恐怖が強まり、発作が起こることがあります。

パニック発作が起きた時の対処法

1. ゆっくり深呼吸をする
過呼吸を防ぐため、ゆっくりと息を吸い、吐くことを繰り返し、心と体を落ち着かせましょう。

2. 安心できる場所に移動する
人混みや狭い空間から離れ、リラックスできる場所に移動することで、不安を和らげましょう。

3. 自分を安心させる言葉を思い出す
「これは一時的なもの」「大丈夫、すぐに落ち着くよ」といった言葉を思い出し、自分を安心させることで、恐怖感を和らげ、冷静さを取り戻しましょう。

4. 薬物療法を活用する

発作の予防には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が有効です。SSRIは発作の頻度を減らし、予期不安を軽減します。

一方、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)は即効性があり、外出時などに持ち歩くことで安心感を得ることができます。お守りのような役割を果たし、実際には使用しなくなることもあります。抗不安薬は必要に応じてのみ使用し、適切に管理しましょう。

予防法と長期的な対策

1. ストレス管理を心がける
日常的にストレスを発散する方法を取り入れ、リラックスできる時間を持ちましょう。ヨガや瞑想も効果的です。

2. 規則正しい生活を送る
十分な睡眠とバランスの良い食事、適度な運動を心がけ、心身の健康を保ちましょう。

終わりに
パニック発作は非常に辛い体験ですが、適切な対処法や薬物療法を活用することで、発作をコントロールし、日常生活を取り戻すことができます。パニック障害は必ず乗り越えることができます。医師と相談しながら、予期不安を克服し、安心して生活できるようにしましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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