2025年3月10日(月)
◆ うつ病の回復は「三寒四温」
季節の変わり目には寒い日と暖かい日が交互に訪れます。これは「三寒四温」と呼ばれ、春に向かう自然な変化です。
うつ病の回復も同じように、一進一退を繰り返しながら少しずつ良くなっていきます。
しかし、調子の波に戸惑い、
「治っているのか、悪くなっているのか分からない」
と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
◆ うつ病の回復は「波のように」進む
うつ病は、決して一直線に良くなるわけではありません。
まるで海の波のように、上がったり下がったりしながら、徐々に穏やかになっていきます。
✔ 調子が良い日があったかと思うと、また落ち込む日がある
✔ 「良くなった」と思ったのに、また気分が沈んでしまう
このような波があるのは 回復が進んでいる証拠 です。
波の高さ(気分の落ち込みの深さ)が小さくなり、悪い時期の頻度が減っていくことで、最終的には安定した状態に近づきます。
◆ 最新研究が示す「回復の波」
最新の臨床研究でも、うつ病の回復が波のように進むことが確認されています。
🔹 約80%の人が「症状の波」を経験する
🔹 回復までに数カ月〜1年程度かかるのが一般的
🔹 個人差が大きいため、焦らず自分のペースが大切
「波があるのは普通のこと」と理解するだけでも、不安が軽くなるかもしれません。
◆ 「三寒四温」の後に春が来るように
回復の波があるのは、治る途中にいる証拠です。
悪い日があっても、それは決して後退ではなく、「波の揺れ」の一部。
🌸 「三寒四温」の後に春が訪れるように、うつ病の回復もゆっくりと進んでいきます。
🌸 「波があるのは自然なこと」と受け入れ、焦らず進みましょう。
◆ 回復を支えるためのポイント
① 生活リズムを整える
🔹朝日を浴びる
🔹毎日同じ時間に食事をとる
② 無理をしない
🔹「早く治らなければ」と焦らない
🔹少しずつできることを増やす
③ 軽い運動を取り入れる
🔹無理のない範囲で散歩やストレッチ
🔹体を動かすと気分が安定しやすい
④ 周囲に頼る
🔹家族や友人に話し、支えてもらう
◆ 焦らず、自分のペースで
「波があるのは回復の証」
「悪い日があっても、それは前に進んでいる証拠」
このことを心に留めながら、焦らずに回復を目指しましょう。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏