2025年3月24日(月)
近年、うつ病による休職者が増加しており、これは本人だけでなく、職場全体にも大きな影響を与えています。長期間の休職が続くと、周囲の社員への負担が増し、業務の効率や職場の雰囲気にも影響が出てしまうことがあります。
うつ病は、ストレスの多い現代社会では誰もがかかりうる身近な病気です。きちんと治療を受け、無理をせず休養を取ることが、回復への第一歩です。
自宅療養中の過ごし方
休職中は、まず心と体をしっかり休めることが大切です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、そして無理のない範囲での軽い運動は、回復を助けてくれます。
また、仕事のことを考えすぎず、リラックスする時間を持つことも心の安定に役立ちます。読書や散歩、軽い趣味など、自分のペースで過ごしましょう。
焦らず「整える」ことが回復への近道
「調子がよくなってきたから、そろそろ働かないと…」と焦る気持ちはよく分かりますが、症状が安定したからといって、すぐに復職するのは注意が必要です。
気づかないうちに無理を重ね、再発や再休職につながってしまうこともあります。むしろ、安定した状態をしばらく保ち、日常生活を無理なくこなせるようになることが、復職の準備として大切です。
生活リズムを整えながら、散歩や軽い家事など少しずつ活動を増やし、失われた体力や集中力を取り戻していきましょう。
復職のタイミングと職場との連携
復職のタイミングは人それぞれですが、共通して言えるのは「心と体に余裕が出てきたかどうか」が一つの目安です。
不安が強く残っていたり、体調に波がある段階では、まだ準備が整っていない可能性があります。焦らず、自分の状態としっかり向き合いましょう。
また、復職にあたっては、職場の理解とサポートも欠かせません。上司や人事担当とよく話し合い、復帰後の業務量や勤務時間について相談しておくと安心です。フレックスタイムや段階的な復帰を取り入れる職場も増えてきています。
リワークデイケアの活用
当院では、うつ病からの社会復帰をサポートする「リワークデイケア」を併設しています。
このプログラムでは、規則正しい生活リズムを身につけることから始め、職場復帰に必要な体力や集中力を少しずつ取り戻していきます。
また、認知行動療法やストレスへの対処法(コーピング)、マインドフルネスなどの実践的なプログラムを通じて、再発を防ぎながら、安心して働き続けられる力を養います。
最後に
うつ病からの復職は、「症状が治まった=すぐに働ける」というわけではありません。焦らず、心身が整うのを待つことが、長く働き続けるための大切なステップです。
適切な準備を重ねて、自信を持って社会復帰できるよう、当院のリワークデイケアもぜひご活用ください。あなたらしいペースで、一歩ずつ前へ進んでいきましょう。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏