2025年3月31日(月)
最近、中高生のうつ病が増えていると言われています。
学校のクラスには、少なくとも一人はうつ病の生徒がいる可能性があるとも言われるほど、身近な問題になってきました。
うつ病は、放置すると徐々に悪化していく病気です。だからこそ、早期の気づきと、適切な対応がとても重要です。
不登校は「怠け」ではありません
中高生のうつ病では、特に「不登校」という形で現れることがよくあります。
この状態を見て、つい「甘えているのでは?」「学校に行かせないと」と考えてしまう保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、うつ病は“心のエネルギー”が著しく低下した状態です。
無理に登校させることは、さらに状態を悪化させることにもなりかねません。
「休むことが治療の一環」であると理解することが大切です。
まずは生活リズムの立て直しから
うつ病の回復には、生活リズムの安定がとても重要です。
- 十分な睡眠をとること
- 必要に応じて抗うつ薬の服用を行うこと
- 食事や活動のリズムを整えること
こうしたことが、「エネルギーの回復」につながっていきます。
少しずつ元気が戻ってきたら、無理のない範囲での登校練習(半日だけ、保健室登校など)を始めることも可能です。
家族の理解と共感が回復のカギ
家族のサポートは、回復の上で非常に大きな力になります。
大切なのは、「励ます」のではなく、共感し、寄り添うことです。
また、親子でうつ病について学ぶことも有効です。
- うつ病の症状や治療についての知識を持つ
- ストレスへの対処法を身につける
- 必要に応じて、カウンセリングや精神科医の指導を受ける
家族が「安心の基地」となることが、子どもの回復を大きく支えます。
早めの受診で、回復への第一歩を
中高生のうつ病は、適切な治療とサポートがあれば回復が可能です。
「いつもと様子が違う」「以前より元気がない」と感じたら、できるだけ早く専門医に相談してください。
子どもの健康と将来のために、“無理をさせない”という勇気ある選択が、何よりも大切です。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏