2025年4月21日(月)
春になって暖かくなってきたのに、なぜか「朝起きるのがつらい」「気分が重い」「身体が鉛のように重い」と感じていませんか?
「気候のせいかな」「疲れがたまっているだけかも」と見過ごされがちなこの時期の不調。
実はうつ病の初期症状である可能性もあります。
なぜ「春」や「季節の変わり目」に不調が出やすいのか?
春から初夏にかけては、生活環境が大きく変わりやすい季節です。
- 入学・就職・異動などの変化
- 気温や日照時間の急な変化
- 花粉症や寒暖差による体調の変化
これらが重なることで、体のリズムが乱れ、自律神経や睡眠、気分にも影響が出やすくなります。
特に、「周囲に気を遣って頑張り続けている人」や「責任感の強い人」は、この時期に疲れが表面化しやすい傾向があります。
「朝がつらい」の背景にあるかもしれないこと
うつ病の初期に見られる特徴の一つに、「朝がつらい」「午前中だけ気分が悪い」といった症状があります。
これは「日内変動」と呼ばれ、朝に特に調子が悪く、午後から少しずつ気分が落ち着くという傾向を指します。
以下のような状態が続く場合には、うつ病の可能性も考えられます。
- 起き上がれないほど気だるい朝が続く
- 出勤・登校・家事に取りかかる気力がわかない
- 午後になると少し落ち着くが、翌朝にはまたつらくなる
- 気持ちの落ち込みに理由が見つからない
- 睡眠時間は足りているのに疲れが残る
気分の波と「うつ」のちがい
日常的に気分が落ち込むことは誰にでもありますが、その状態が2週間以上続く場合は注意が必要です。
うつ病は気の持ちようや性格ではなく、脳内の神経のバランスの変化によって起きる病気です。
悪化しないうちに、早期に対応しましょう。
医療機関への相談を考えるサイン
以下のような状態が続く場合には、心療内科や精神科への相談を検討してください。
- 起床がつらく、日常生活に支障が出ている
- 仕事・家事・勉強への集中力が続かない
- 興味や関心が持てなくなった
- 食欲や体重に大きな変化がある
- 周囲から「元気がない」と言われる
最後に
「朝がつらい」と感じている人は、心も体も疲れているサインかもしれません。
がんばろうと無理をする前に、一度立ち止まり、自分の状態を見つめ直してみてください。
睡眠や生活習慣を見直すこと、身近な人に気持ちを話してみること、そして必要であれば専門医に相談すること。
どれも、前に進むための大切な一歩です。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏