心の病気を治す秘訣 2 ー人と比べない

image9月1日 月曜日

もう9月です。最近は少し涼しく、過ごしやすくなりました。

今日は、「心の病気を治す秘訣-2 人と比べない」についてです。先週は、「あせらない」についてでした。

今回は、「人と比べない」についてです。

心の病気を治すためには、「人と比べない」ことが大切です。病気の時、健康な人が羨ましくなります。病気の時に健康な人と自分を比べると、自分だけがひどく不幸になっているような気がするのです。

「私は、いつまでも病気が治らなくて、毎日気分が落ち込んで、長いこと休職している。でも、あの人は、健康で仕事も家庭もうまく行っていて、いつも明るい。私だけどうしてこんなにみじめなのだろう?」などと考えます。

しかし、これは一つの側面に過ぎません。病気の時は、考え方がマイナス思考になります。いろいろな物事の負の側面ばかりが強調されて、自分にとって不利なことばかり、考えてしまいます。健康で幸せそうにみえる人も、人にはわからない悩みを抱えているかもしれません。人は外からだけではわからないのです。

最近のヘルスアウトカム(治療が症状だけでなく、実生活にどのような影響をもたらしているかを検証する)と言われる研究では、心の病気で自尊心(self-ssteem)が低下することが報告されています。自尊心とは、自分自身を大切に思う気持ちです。自分の良いところも悪いところも受け容れて、一人しかいない自分を大切に思う気持ちです。

自尊心は、自分の可能性を信じることにつながりますから、人生で成功するために必要なものです。子供の頃に親に叱られてばかりいたり、批判されてばかりいると自尊心が育たないと言われています。

心の病気になると、この自尊心が低下して自信がなくなります。そんな時に自分を人と比べると、自分のマイナス面ばかりみえてしまいます。人と自分を比べると心に負のエネルギーばかり湧いてきますが、この負のエネルギーが病気を治りにくくしてしまいます。

心の病気は治らないなどと言う人もいますが、そんなことはありません。多くの心の病気は、回復可能です。

しかし、病気が長引いている場合も多くあります。なぜ、治りにくいのでしょうか?心の病気を治りにくくするものの一つは、人と自分を比べることによる負のエネルギーです。

病気の時は、自尊心が低下して、自分と他人を冷静に比較できない状態にあります。ですから、病気になったら、人と自分を比べないようにしましょう。そうすることで、心の負のエネルギーが少なくなり、病気の回復を早めることができます。

次回は、「心の病気を治す秘訣-3 自分のことばかり考えないようにする」についてです。

院長 高橋道宏

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