考えすぎて疲れる人へ:思考が止まらないときの森田療法的アプローチ

2025年12月1日(月)

考えすぎて疲れる人へ:思考が止まらないときの森田療法的アプローチ

「夜になると不安が止まらない」「頭の中で同じ考えがぐるぐる回る」「悪いことばかり浮かんでしまう」。
こんな“考えすぎ”に振り回されて、心身ともに疲れていませんか。

考えすぎてしまうのは、不安に注意が向かいやすい状態になっているために起こるものです。

1. なぜ「考えすぎ」が止まらなくなるのか

不安が強くなると、脳は危険を避けようとして情報を集めます。
その結果、最悪のケースを考えたり、過去の失敗を思い返したり、相手の表情の裏を読みすぎたりと、頭の中が落ち着かなくなります。

ここで多くの人が陥るのが「不安にとらわれてしまうこと」です。
「考えてはいけない」と意識するほど、不安に注意が向き、考えが止まらなくなります。
これが「とらわれ」と呼ばれる状態です。

2. 考えすぎの悪循環:とらわれが不安を強める

不安を避けよう、なくそうとするほど、不安が強まり、ますます不安にとらわれます。
そして、とらわれが強まるほどさらに不安が増す――これが「思考の悪循環」です。

3. 克服のカギは「不安を消す」ことではなく、「不安に対する態度を変える」こと

考えすぎを止めるために必要なのは、思考を完全に止めることではありません。
大切なのは次の2つです。

  • 不安の原因を考え過ぎないこと
  • 不安があっても、日常に必要な行動を続けること

不安があると、そのことばかり考えてしまい、今必要な行動が疎かになります。
不安にとらわれず、まず目の前の行動を続けること。
不安に反応しすぎない姿勢を保つことで、徐々に「不安に振り回されない自分」が育っていきます。

4. 同じことばかり考えてしまう悪循環を弱めるための姿勢

  1. 「不安があっても、あるがままに受けとめる」
    不安を排除しようとしないことが出発点です。
    不安が浮かんでも深刻に考え込まない。深刻に向き合おうとすると、不安はかえって強くなります。
  2. 行動を続ける
    家事、仕事、作業など、今やっていることに注意を戻す。
    これは、思考の悪循環を断つうえで最も有効な方法です。
  3. 「五分だけ」と少しずつ始める
    不安が強いときは行動が特に難しく感じられます。
    だからこそ「五分だけ」と区切ってまず取りかかる。
    身体が動き始めると、不安は自然に弱まっていきます。

5. おわりに:考えすぎは「変えられる」

不安を無理に消そうとせず、不安にとらわれずに行動を続ける。
その積み重ねが、不安に振り回されない生活を取り戻す第一歩になります。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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