アルコール依存症は、なぜ気づきにくいのか

アルコール依存症は、なぜ気づきにくいのか

2026年4月6日(月)

新学期が始まりました。
新しい環境、新しい人間関係。
緊張やストレスが高まりやすい季節でもあります。

「今日くらいは飲んでいいだろう」
そのひとことが、毎日になっていませんか。

アルコールは、依存性のある物質です

お酒は私たちの生活に身近な存在です。
しかし、アルコールが本来持っている「依存性」という側面は、意外と見過ごされがちです。

依存症になるのは、特別な人だけではありません。
飲み続ければ、誰もが依存症になりうる。
それがアルコールという物質の本質です。

無防備に飲み続けることは、
こころとからだにとって、決して安全なことではありません。

「自分は大丈夫」という思い込み

「やめようと思えば、いつでもやめられる」
そう感じているうちは、自分の飲み方を問題だとは思いません。

しかし、それこそが依存症の大きな特徴のひとつです。

飲み続けることで、脳の報酬系と呼ばれる回路は少しずつ変化していきます。
これは根性の問題ではなく、「脳の病気」です。

家族が心配して声をかけても、本人が怒ったり、否定したりすることがあります。
それは性格の問題ではなく、病気による変化です。

回復への道と、専門家への相談

アルコール依存症は、適切な治療とサポートによって回復が可能な病気です。

まずは薬物療法によって、飲酒欲求をコントロールします。

お酒を飲むと、脳内に「βエンドルフィン」という物質が分泌され、強い快感が生じます。
これが「もっと飲みたい」という渇望につながります。

最近では、この仕組みに働きかけることで、
飲酒欲求を和らげ、コントロールしやすくする治療も行われています。

また、主治医との対話を通じて、
飲酒に至る心理的な背景を少しずつ整理していきます。

さらに、家族や周囲の理解は、再発予防において大きな役割を果たします。

一人で抱え込まず、専門家とともに取り組んでいくことが大切です。

おわりに

「最近、飲む量が増えてきた」
「飲まないと眠れない」
「家族から心配された」

そう感じることがあるなら、それはこころとからだからのサインかもしれません。

早めに専門家へ相談することを検討してみてください。

回復への道は、必ずあります。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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