おはようございます。今朝の芦屋は−1℃でとても寒いです。インフルエンザもまだ猛威をふるっているようですので、皆さんお身体には十分気をつけて下さい。
私たちは、時としてどうにもならない、すぐには解決できない問題を抱えます。どんな人でも例外はありません。このような困難は誰にでも訪れます。解決できずに途方に暮れ、問題の重みに心が押し潰され、八方ふさがりになる。問題に打ちひしがれ、どうしたら良いかわからなくなる。このような状態が長く続くと心の病気になってしまうこともあります。どうにもならない、すぐには解決できない問題を抱えてしまった時、どのように対処すべきでしょうか?
すぐに解決できない難題を抱えるとどうしても焦ってしまいます。しかし、焦ること(解決を急ぐこと)は問題解決には全く役立ちません。かえって、「焦る→イライラする→更に焦る」という悪循環が始まり、精神的にどんどん追い詰められてしまいます。こうした悪循環が始まると、きちんと問題に向かい合い、処理することは益々難しくなります。ですから、まずできるだけ焦らないようにすることが問題解決の第一歩です。
問題を抱えた時には難題に思えても、時間が経つと問題を取り巻く状況が変わり、解決しやすくなることはたくさんあります。すぐに解決できないからといって焦ることはありません。時が解決してくれる問題は非常に多いのです。こんな風に考えれば心に余裕が生まれてきます。
解決策がみつかるまで、問題をじっと受け止め、心の中で問題を消化しようとするのです。胃が食べ物を消化するように。問題をじっと受け止め、問題を受け入れ、咀嚼し、消化するのです。問題の自己消化です。問題の自己消化は、問題に直面した自分自身に向かい合うことから始まります。自分の長所と短所、可能性と限界をみつめることからスタートするのです。改めて自分自身に向かい合うことで、本当の問題が他者ではなく、自分自身の中にあることに気づくこともあります。これが自己洞察です。自己洞察ができるようになると心が落ち着いてきます。
問題に直面した自分に向かい合わずに、他人を責めてしまう人がいます。心理学的には投射と言われる現象ですが、このような行動は、一時的に心を守ることはできても、結局問題は解決しません。自分自身の心の成長も期待できません。
信頼のおける人に相談することは自分の心を整理するために役立ちますが、あくまで問題の自己消化を助けるためにするのです。他人が問題を解決するわけではないのです。最終的には、自分自身が問題を受け入れ、自己消化しないと解決しません。
問題を自己消化しようとすると、依然問題はあるにもかかわらず、問題をしっかりと受け止め、振り回されないようになっていきます。問題に向かい合い、自己消化しようとすると心が成長していきます。こんな繰り返しが心を強くします。あなたをより輝かせてくれます。解決不能に思える問題はあなたを押しつぶすためにあるわけではありません。問題を自己消化し、解決する中で、あなたがより輝くためにあるのです。問題を肯定的に受け入れ、自己消化しましょう。 患者さんを見ていると、このような気持ちになった時、不思議と難題に思えた問題が解決することが多いです。