2017年5月1日 月曜日
心の病気をすると、治療しても思ったようなスピードで症状が改善せず、いつまで経っても良くならないと感じることがあります。一体いつになったら病気は良くなるのか?と悩みます。
いつまでもこんな気持ちを抱えていると、もう治らないのでは?とさえ考えてしまいます。このような疑念は自暴自棄な気持ちや日常生活の乱れを引き起こし、病気を治りにくくします。
回復をあせると日々の症状の変化に一喜一憂します。症状の変化に敏感になり、わずかな症状の変化でイライラしたり不安になり、かえって治療に良くない影響を与えてしまいます。
また、回復を焦り、自分を他人と比べてしまったり、必要以上に過去のマイナス面を考えてしまいます。このようなマイナス思考は治療に悪影響を与えます。
心の病気は、病気の種類にもよりますが、一直線に良くなることはほとんどありません。良くなったり悪くなったりしながら少しずつ良くなっていくのです。
ですから、症状が良くなったり悪くなったりするのは当たり前のことで、症状の自然変動と理解すべきです。症状の自然変動は誰にでも起こりうるものです。一喜一憂する必要は全くありません。
むしろ自然変動があるのは回復に向かっている印です。喜んで良いのです。そして、治療の進み具合は、焦らず、少なくとも3ヶ月以上の長期的な観点からみるようにしましょう。
他人と比べて自分自身を見失わず、必要以上に過去を悔やむことなく、主治医と相談し納得した治療を確信を持って続けていきましょう。そのような確信のある方は必ず回復していきます。
院長 高橋道宏