ADHDと過集中?

2017年7月3日 月曜日

ADHD(注意欠如多動性障害)では、不注意によるケアレスミスや集中困難がみられることが、一般的に広く知られています。最近では、このような症状があることからADHDを疑い、自ら受診する方が多くなりました。ところが一部の方には、過集中といった集中困難とは全く正反対の症状が認められることがあります。過集中していると、一見ADHDには見えません。

ADHDの方は、細かなことに注意を払うことが難しく、仕事でケアレスミスが起きやすいです。集中が途切れやすい傾向も強く、集中して仕事をしていても、ちょっとしたことで気が散りやすいところがあります。いったん仕事を中断すると、しばらくして何の仕事をしていたのか忘れてしまい、中断した仕事を再開できません。ですから、反対に過集中していると、とてもADHDには見えなくなります。

ADHDにみられる過集中の特徴は、自分の興味のあることばかりに集中するという点です。なぜか自分の気持ちにスイッチの入ったことには過度に集中してしまいます。一方、本来集中する必要があっても、興味のないことには全く集中できません。過集中すると夜も寝ないで仕事や勉強に没頭し、生活リズムは乱れ、体調のバランスを崩します。過集中しても、長続きしないのです。

ADHDでは、自分が興味を持ったことに過度に集中する過集中がみられることがあります。過集中の結果、体調を崩したり、本来集中すべきことに集中できなくなります。ADHDは、単に不注意や集中困難があるというよりも、必要なことにバランス良く集中出来ない発達障害であると言った方が正しいと思います。興味あることに集中し過ぎて、体調のバランスを崩さないよう注意することが大切です。

院長  高橋道宏

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