2018年1月15日 月曜日
うつ病は大変身近な病気です。身近な病気でありながら、目に見えないこころの病気ということもあり、治らない病気と誤解されてしまうことがあります。
確かに一部のうつ病は回復するまでに時間がかかりますが、多くのうつ病は順調に回復しています。うつ病が治らない病気というのは思い込みに過ぎませんが、治るスピードは一人一人異なります。
順調に治るうつ病と治らないうつ病の違いはどこにあるのでしょうか?お薬による治療では、2種類以上の抗うつ薬で十分な量、十分な期間治療しても効果が得られないものを「難治性うつ病」と定義しています。
初めてのお薬が自分に合わない場合もありますから、別のお薬に変更するなど、自分に合った最適なお薬に出会う必要があります。
一方、うつ病では日常生活が適切に行われることが治療上大きな意味を持ちます。特に、規則正しい生活は病気を治す上で最も大切です。また、自分の現状の体力、気力に応じた生活をすることも大切です。
不規則な生活、自分の限界を超えた無理な生活では、いくら良いお薬を飲んでも、その効果が打ち消されてしまうのです。
うつ病は適切な治療を受ければ回復します。自分であくせくして治す必要はありません。むしろ、あくせくすると気持ちの上でストレスが増え、かえって病気が治りにくくなります。
自分にとって最高のお薬に出会い、適切な日常生活を行うことでうつ病は回復していくのです。うつ病は決して難病ではありません。誰でも回復します。必ず回復すると信じ、希望を持ちましょう。
院長 高橋道宏