うつ病によるマイナス思考

2019年1月7日 月曜日

うつ病になると物の考え方が悲観的になり、否定的な言動を繰り返します。これをマイナス思考と言います。

マイナス思考になると、自分の欠点ばかり見えてしまいます。特に自分の過去のマイナス面ばかり考えてしまいます。誰でも自分の過去のすべてがマイナスの体験ということはないはずですが、マイナス思考に陥ると自分の過去の人生すべてがマイナスに思えてしまいます。

マイナス思考の特徴は、考えても仕方のないことをいつまでも考え続けてしまうことです。考えがまとまらない時は、途中でやめてしまえば良いのですが、いつまでもマイナスの方向に考え続けていきます。

どんな物事でも良い面と悪い面がありますが、悪いところばかり見えてしまいます。その結果、意欲がなくなり、目の前のことが疎かになります。

マイナス思考になると、どうしても自虐的になります。自分自身に対して否定的になります。自分自身を否定し、いじめ続けて、病気が治るはずがありません。

マイナス思考のもう一つの特徴は、治療に対しても否定的になることです。薬を飲んでも、カウンセリングを受けても、病気が治るはずがないとマイナス思考による自己暗示がかかります。このようなマイナスの自己暗示が治療に及ぼす悪影響は計り知れません。

うつ病の治療を成功させるためには、マイナス思考を修正する必要があります。マイナス思考では、過去に目が向きがちで、無意識のうちに目の前にあることから目を離し、現実のことを疎かにしてしまいがちです。

修正できない過去に目を向けるのをやめ、現在の目の前のことに集中しましょう。感情に振り回されず、自分にできる範囲で目の前のことを一歩一歩進めていくように心がけましょう。

院長 高橋道宏

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