2020年3月9日(月)
注意欠如多動性障害(ADHD)は、子供の頃から不注意や多動などの症状があります。
子供の性格の問題にみえたり、親のしつけの問題に思えたりで、医療にたどり着くまでにかなり時間がかかるようです。
ADHDという病名が使われるようになったのは、1994年からです。ですから、病気として認知されるようになったのは、比較的最近のことです。
ADHDの治療では、お薬による治療が一般的になりました。お薬がない頃は、多種多様なアプローチをしてもなかなか良くならなかった方が、同じ人かと思う位良くなったケースは少なくありません。
しかし、薬を飲んでも症状が100パーセント完全になくなる方は少なく、多少症状が残存することがほとんどです。薬は万能ではないのです。
このような方は、服薬を続けながら生活指導が必須となります。生活指導では、ADHDの方が症状を理解し、症状に合わせた日常生活の工夫を行うことができるようにサポートします。
例えば、「いつも時間に遅れてしまう人」は、いつ何をするとうスケジュールを1日の流れの中で理解し、早めに行動していくことが大切です。
また、あまり予定を入れ過ぎないように工夫することも必要です。このような工夫をすることで、問題点を克服することができます。
ADHDの生活指導では、自分で自分の問題点に気づくことができるようにすることが大切です。自分で気づくことができる人は行動を改めることができます。
お薬による治療と生活指導を適切に組み合わせることで問題点を乗り越えることができるのです。
ADHDの治療を受けて症状が改善した患者さんからは、「もっと早くクリニックに行けば良かった。」という声も聞きます。 ADHDのことが気になったら、早めに受診するようにしましょう。
院長 高橋道宏