2020年10月5日(月)
うつ病になったら、もう治らないのではないかと不安になりますが、うつ病は必ず良くなると信じることが大切です。
うつ病治療のキーポイントは、良くなると信じることができるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。
このように言うと非科学的に聞こえるかもしれませんが、これには理由があります。
うつ病になると不安が強くなります。うつ病に伴う不安です。
不安が強くなると、暗示にかかりやすくなります。悪くなると思い込むと、どんどん悪くなります。反対に良くなると信じると、どんどん良くなります。
うつ病の方はとてもデリケートです。自己暗示一つで病状が大きく変わっていきます。
良くなると信じることができると、不安が払拭されます。するとその方が本来持っている自己治癒力を引き出しやすくなります。
うつ病は休養とお薬で必ず良くなりますが、回復を阻害する一つの要因は不安の強さなのです。
良くなると信じ、不安を払拭することができれば、うつ病は順調に良くなっていきます。このようなプラスのマインドセットでうつ病を乗り越えていきましょう。
ノーベル文学賞受賞者のソルジェニーチン氏は、旧ソ連で反体制派として強制収容所に送られた時、絶望の淵の中で「必ずここから出ることができる」と信じていたそうです。
彼の信じた通り、後日奇跡的に彼は収容所から脱出することができました。
困難に陥った時、プラス思考になれるかどうかで人生は大きく変わっていきます。
良くなると信じることでうつ病が治っていくのは、まさにその典型と言えるでしょう。
芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏